木の温もりが感じられる木彫り作品の制作工程をご紹介します

木彫りの作品は、木の温もりを感じられて愛着がわくものです。その制作工程は材料となる木材の準備後、余分な部分を削り落とす粗彫りをしてから、彫り上がりに向けて細部を彫り込みます。そして、必要に応じて下塗りと上塗りを行い、完成させます。

木彫りの作品の制作工程とは?

「木彫り」というと、北海道のお土産で有名な、木彫りの熊の置物を思い浮かべる人が多いかもしれません。木彫りの作品は、その名のとおり、木材を彫刻することによって制作されます。

 

木彫りの作品の特徴は、木の色合いや浮き出た木目が温かみをかもし出していること、そして、触ったときに手の平になじむ自然の優しい風合いをもっています。また、小ぶりの作品の場合は比較的軽くて持ち運べるのも、人気の理由のひとつです。

 

木彫りの作品は、どのようにして制作されるのでしょうか。木彫りの制作工程は、「材料の準備」「粗叩き」「彫り上がり」「下塗り」「上塗り」の5つに分かれています。

材料の準備

木彫りの作品に使用されるのは、程よい堅さのヒノキやケヤキ、クスなどの木材です。とくにヒノキは殺菌効果が高いので、昔から木彫りの作品を含むさまざまな装飾品や工芸品に使用されてきました。ヒノキで制作した作品は、置いておいても虫がつく心配はありません。

 

木彫りの方法は、「一木造り」と「寄木造り」の2種類です。一木造りとはひとつの木材から一体の作品を彫り出す方法で、高い技術が必要となります。それに対して、寄木造りは作品のパーツごとに彫り、できあがったパーツを組み合わせることによって完成させる方法です。どちらも、木の温もりを感じられる作品に仕上がります。

 

寄木造りの場合は、パーツが制作できる大きさの木材を必要となる数だけ集めて準備します。一方で、一木造りの場合は、できあがりの作品よりもひと回り大きな木材が必要です。大作に取り組むときは、その分だけ大きな木材を準備しなければいけません。また、ひな人形や狛犬など2体で一対である作品を制作する場合は、同じ木材を2つ用意します。同じ木材から彫り出したほうが、2体の雰囲気を統一できるからです。

粗叩き

彫り出していく前に、まず木材の表面に制作する図面を描き込んでいきます。そして、長方形の木材を見て完成作品を頭にイメージしながら、粗叩きを行います。粗叩きとは、「叩きノミ」という道具を使って余分な木材を削り落としていく作業のことです。図面を描けるのは、木材の表面のみです。図面から立体の作品に仕上げていくには、経験と技術が必要になります。

 

一木造りの場合、必要となる部分を削り落としてしまうと取り返しがつきません。そのため、粗叩きとはいっても、慎重に作業を進める必要があります。また、2体で一対の作品を制作する場合は、大きさをそろえるために2体同時に作業を進めていきます。

彫り上がり

粗叩きをした木材を、次は数種類の彫刻刀を使い分けながら細部を丁寧に彫っていきます。高い技術が必要となるのは、動物を彫る場合はその毛並みの質感を、人間を彫る場合は肌のなめらかさや服の特徴を表現することです。細部にいたるまで丁寧に彫り込んでいく作業を見ていると、まるで木材に命を吹き込んでいるかのような印象を受けます。

 

彫り上がりの作品は、木の自然な色合いや木目が美しく、粗削りながらもじゅうぶんに素敵です。作品によっては、ここで必要に応じて磨きをかけて完成とすることもあります。

下塗り

下塗りは、木材の質感を活かしたり、上塗りする塗料を退色しにくくしたりして発色をよくするために行う工程です。ひな人形など人間の作品の場合、肌の部分を「胡粉」という貝殻から作られた、白い塗料を塗ることがあります。そして、塗った塗料が乾いたら、サンドペーパーで磨きます。この作業を繰り返すことで、木材特有の繊維質な手触りがなめらかになり、すべすべとしたきれいな仕上がりに変わるでしょう。

上塗り

下塗りが完了したら、上塗りに移ります。完成度を高めるために、さまざまな色の塗料を使い分けて行う工程です。広い面積を塗るときは太い筆を、細かい部分には細い筆を使用し、色をはっきりさせるために重ね塗りをしながら、丁寧に仕上げていきます。

 

表情は、作品の要です。表情ひとつで作品の雰囲気はがらりと変わります。そのため、目や鼻、口など顔のパーツを描くときには、緊張感がただよいます。やりなおしができない作業だからこそ、想像通りに仕上がったときには作品への愛着が強くなるでしょう。

 

まとめ

木彫りの作品は、まずヒノキなどの木材を準備するところからはじまります。粗彫りで余分な部分を削り落とし、彫り上がりに向けて細部まで丁寧に彫っていきます。そして、下塗りと上塗りが完了したら、作品は完成です。木彫りは木材ならではの温かみがあり、素敵な作品です。

 

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