木彫りの技術が上達するコツと最近の木彫り事情

木彫りと聞くと、どういったものを想像するでしょうか。彫刻刀や仏像、有名な北海道の熊の木彫りなどさまざまなものがあるでしょう。仏像を思い描いた人は、難しいイメージをもっているかもしれません。逆に、小学校の美術の時間を思い出した人は懐かしさを感じているかもしれませんね。

 

木彫りの作品は見ているだけで木の温もりを感じられて、心が癒やされていきます。自分で木を触りながら彫ってみると、おだやかな時間を過ごせます。

 

自分で木を彫ることは、ハードルの高いものではありません。今回は木彫りのおおまかな手順と、木彫りの技術を上達させるためのコツをまとめました。これから木彫りをはじめたいと思っている人や、木彫りをはじめた人はぜひ参考にしてみてください。

 

木彫りの手順

まずは木彫りの手順について、具体的にご説明していきましょう。

 

木取り・図面作成

まずは作りたいもののイメージを考え、木取りをします。「木取り」とは木のどこの部分を使うか、木のどの面を正面にするかを決めることです。木目にはそれぞれに味があり、どこを使うかで作品の印象も変わります。木の性質によって選ぶ面も考えなければならないので、大事な作業です。

 

それが終わったら、鉛筆を使って木材に下書きをします。すべての面に下書きを書いた方が、イメージしやすくなりますが、慣れてくると下書きをしないで、いきなり「のみ」をいれて削る人もいます。

 

荒く周りを削り落とす

下書きをした外側はいらないので、削り落としましょう。

この作業はのこぎりでも行えます。大胆に落とせるところは思い切って落としたいところですが、左右のバランスなどに気をつけながら進めていきましょう。

 

丸みを出していく

作品によりますが、丸みをつけるように削り落としていきます。ここから先の手順は、作品や人によって異なります。先に顔を仕上げてから全体の丸みを作っていったり、全体的に丸みを出してから細かい部分を彫り出していったりと、やりやすいように進めてください。

 

細かい部分を削る

全体の形が仕上がってきたら、細かい表情や模様を彫刻刀などで掘り出していきます。詳細な下書きをあらためて加えながら削っていくと、失敗を防げます。

 

色付け

木目のままでも素敵な作品になりますが、色付けを行うと、さらに作品の存在感が増していきます。

 

木彫り技術の上達のために

まずは手探りで彫ってみましょう。次に、コツを踏まえたうえで、技術の上達を目指してみるのがおすすめです。

 

手順をきちんと踏むこと

初回は、上記でまとめた手順を踏んでみましょう。とくにはじめの工程で木取りをきちんと行うとやりやすくなります。自由に彫るのは楽しく感じるものの、基本の彫り方や彫刻刀のもち方を学ぶだけでも、技術の向上につながるので、基礎的な作業を意識的に行ってみましょう。

 

絵がうまいといいの?

絵心のある人のほうが進めやすいかもしれませんが、絵が苦手な人でも木彫りはできます。

 

絵は二次元ですが、木彫りの世界は三次元です。絵のうまい人が木彫りに向いているわけではなく、絵を描けないことが木彫りのできない理由にもなりません。

 

彫刻刀をきちんと用意する

基本的に高い彫刻刀は、切れ味がよく、使い勝手がよいでしょう。しかし安いからといって、木彫りができないわけではありません。

 

ただし、小学校で使っていたものは子ども用なので、木彫りを本格的に学ぼうとする方には物足りない可能性が高いです。まずは手芸専門店などで、使いやすそうなものを選んで用意しましょう。

 

木をよく知る

彫る木を知ることは重要です。この知識が木取りを行うときだけでなく、作品づくりにも影響していきます。木目を読めば割れやすい方向、曲がりやすい方向などが理解できます。

 

木彫りに使われるのはヒノキやケヤキ、カツラ・クスなどが多いです。木によってやわらかかったり硬かったり、作りたい作品のイメージで選んでいくことになるでしょう。

 

木彫りの最新技術

それでは最後に、最近の木彫りの世界についてご紹介します。木彫りの世界には技術の進化だけでなく、時代によって流行もあるので、覚えておきましょう。

 

熊の木彫りが進化

「木彫りといえば」というほど有名なのが、北海道の熊の木彫りです。鮭を咥えた黒色の熊が、イメージとして浮かぶ人は多いでしょう。

 

熊の木彫りの歴史は古く、明治時代にさかのぼります。これはスイスからもち帰った熊の木彫りがルーツといわれており、鮭を咥えていたり、スキーをしていたりするなど、流行もありました。

 

最近では、木彫りの熊にカラフルな色がつけられ、独特な感性で人気を博しています。外出自粛要請により家で過ごす時間が長くなった背景から、家の中を豊かに楽しくしようという観点で、置物などのインテリアが着目されているのでしょう。

 

本物にしか見えない木彫り

食べものなどを本物のように彫り上げる、彫刻家がいます。その技術力の高さには目を見張りますが、木彫りの奥深い可能性を感じます。

 

リアルなペットの木彫り

かわいいペットをリアルに再現する木彫りもあります。ペットのかわいいしぐさをリアルに彫り上げると、先に述べた熊とは違い、身近な愛らしさを感じられるでしょう。

 

アマビエの木彫り

昨今の社会情勢から、疫病退散のご利益があるとされるアマビエが注目を集めています。彫刻家がおだやかな日常を願って制作した木の温もりから癒やしを感じるアマビエは、ご利益があるでしょう。

 

まとめ

今回の記事では、木彫りの技術が上達するコツと、最近の木彫りの事情についてまとめています。木彫りの手順も簡単に書いたので、木彫りを経験したことのない方の参考にもなったでしょう。

 

「わきたけいこの木彫の世界」では、木彫り教室を開講しています。作りたいものはそれぞれ違うので、ご自身の作りたいものが形になるようにサポートする教室となっています。ご興味のある方や個人の制作で困っていた方は、ぜひ一度お問い合わせください。